一般的に定職に就き、大きな組織に所属している人ほど、社会的な信用性(ここでは「社会信用性」とします)が高くなるものです。そして社会信用性が高い人は、住宅ローンなど長期のローンが組めたりします。
一方でフリーランスの場合、定期的な収入を得ていたとしても、ローンなどを組んだりできるのか、つまり社会信用性を獲得することができるのか不安視している方もいるのではないでしょうか。そこで今回は、フリーランスの社会信用性について考えてみましょう。
フリーランスは、社会信用性が低いと思われがち
フリーランスは社会信用性が低いと思われがちです。会社員の場合、毎月決まった給料が見込めることから社会信用性が高くなりますが、フリーランスは、契約中の案件の有無によって収入に波があることから、社会信用性が低くなりがちなのです。
社会信用性が低くなることで起こること
社会信用性が低くなることで、以下のようなことが起こることが予想されます。
ローンが組めなくなる
フリーランスの場合、契約している案件の有無によって、収入に波が出てきてしまいます。このような収入に波があることから、住宅ローンや自動車ローンを金融機関に申し込んだとしても、フリーランスの場合は審査で断られてしまうこともあります。ただ、ローン会社も収入が証明できれば信用は得られるので、収入を証明する資料を求められたら、後述の方法で資料を取り寄せて対処しましょう。
カード会社によってはクレジットカードを作れなくなる
クレジットカードを作るとき、勤務先を記載します。そこで、フリーランスである旨を記載した場合、カード会社によっては返済能力が低いとみなし、クレジットカードの作成ができないこともあります。ただ、大抵のカード会社の審査は通りますので、クレジットカードが作成できないという心配は低いでしょう。
会社によっては取引を断られることがある
フリーランスの場合、仕事上のミスによりクライアントに生じた損害は個人で保障しなければいけません。しかしながら個人として保障できる範囲は限られていることから、万が一のことを考え、フリーランスと契約を行わない企業もあります。フリーランスとの契約を行えない企業があった場合は、知り合いの企業に協力してもらい、取引先として知り合いの企業を間に仲介してもらうことで対応することも可能です。
家族に心配をかける
フリーランスは安定した収入を稼ぐことが、難しいものです。そのため、家族に対して今後も収入を得ることができるのかどうか、心配をかけることにつながります。ただ、フリーランスになることに対して、家族に心配をかけたとしても、フリーランスとして安定した取引先を確保し実績を残せば家族の心配は払しょくされるでしょう。
フリーランスでも社会信用性を高めるために、収入額を証明する
これまではフリーランスだと社会信用性が低く思われがちである旨を記載しました。しかし、フリーランスであっても社会信用性を高めることが出来ます。社会信用性は、収入額を証明することで得られます。収入額を証明する資料を得ることが出来れば、フリーランスであっても、社会信用性を高めることが出来るのです。そこで、収入額を証明する方法を記載します。
確定申告書の控えを残しておく
フリーランスであってもしっかりと確定申告を行い、納税をしていれば、社会信用性が高まります。確定申告したことを証明するために、確定申告書の控えを残しておきましょう。確定申告書の控えには、収入額が記載してあるので、収入額の証明資料として使用することが出来ます。
フリーランスの方が、住宅ローンに申し込んだときに、確定申告書の控えの提出を求められるときがあります。ただ、住宅ローンなどの申し込み資料として、確定申告書の控えを提出すれば、ちゃんと審査が通ります。ローンの審査が通るということは、社会信用性があるということです。確定申告書の控えは、収入額を証明する資料としてちゃんと使用することが出来るのです。
確定申告書の他にも収入を証明する資料がある
確定申告書の控え以外にも、公的な書類でフリーランスの収入を証明する資料があります。収入を証明することが出来れば、社会信用性を高めることが出来ます。確定申告書の控え以外で収入を証明できる資料としては以下の資料があります。
- 住民税課税証明書
住んでいる自治体の役所で発行してもらえます。前年の所得に基づいて住民税の課税額を証明する資料です。 - 納税証明書
これも住んでいる自治体の役所で発行してもらえます。この資料には、地方税の課税額に加えて、既に納税した額が記載されています。 - 所得税納税証明書
この資料は、税務署が発行してくれます。所得税や法人税、消費税の納税額だけでなく、所得額を記載してもらうこともできます。e-Taxを利用した場合は、電子納税証明書をダウンロードして自宅でプリントアウトすることもできます。
勤務先を明確にすることも社会信用性を高めることに
銀行口座の開設時など、各種申し込み書類には勤務先を記載する欄があります。勤務先の記入欄がなぜあるかと言うと、社会信用性を確認するためにあるのです。勤務先を記入することは社会信用性を高めることにつながります。
フリーランスの場合、自宅が職場であり勤務先になる方が多いと思います。勤務先住所が自宅住所と同じであっても全く問題ありません。ただ、勤務先名については、自身の名前よりも屋号があった方がより社会信用性を高めやすいと言えるでしょう。屋号は、税務署に開業届を提出すれば付けることが出来ます。開業届を出さなくとも、個人事業主として事業を行うことは可能ですが、開業届を提出することが社会信用性を高めることにつながります。
屋号は、会社名と同じです。屋号につけるものは何でも構いません。フリーランスの方がつける屋号には、「○○事務所」や「○○オフィス」「○○企画」といったものが一般的です。屋号を付けると屋号を使って銀行口座も開設できます。屋号で開設している銀行口座があると、社会信用性がさらに高まります。
まとめ
今回はフリーランスの社会信用性について考えてみました。フリーランスであっても社会信用性を高めることが出来ると分かれば、組織に所属せず、フリーランスとして生きていくことに対する不安が少しは和らいだのではないでしょうか?
この記事を通じて、フリーランスになるかどうか迷っているみなさん不安を解消し、背中を押すことができれば幸いです。